皮膚の話

●多型滲出性紅斑
多型滲出性紅斑とは、主に顔面、四肢の伸側から左右対称に小さな紅斑を生じる病気です。この紅斑はやがて遠心性に拡大し環状の紅斑になり、時には水疱になったり出血性になったりします。発疹の出来るメカニズムは不明ですが、口の中の粘膜にも皮疹が出現したり重症化する場合もあります。一般的には、頭痛、発熱、関節痛、倦怠感などを前駆症状とし、ウイルスや細菌による感染アレルギーによるものが多いようです。必然的に感冒の流行する時期に多くみられます。薬剤で起こる場合もあるので、抗生物質や鎮痛消炎剤を内服しているときはその薬をそのまま継続するかどうか判断が難しい場合もあります。

あまり知られていない病気ですが、意外と多い疾患のように思います。小さな子が風邪などをひいて、手足に輪のような紅斑が出来ていつのまにか治ってしまったというような例はこの病気の軽いものの可能性が高いと思います。しかし、重症例では入院加療が必要な場合もありますので注意が必要です。治療は原則として、原因に対する治療とアレルギーの症状の治療になります。

この病気自体が、他の人に伝染することはありません。

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